家の老朽化が目立ってきたり、機能面の不満が増えてきたりした時は、リフォーム・リノベーションを行う必要があります。しかし、リフォームには少なからず費用がかかるため、実現できない方もいるでしょう。そのような時におすすめなのが、自治体の補助金を利用する方法です。今回は、東京都世田谷区の補助金の内容や手続きの流れを解説します。
■世田谷区では、環境に配慮したリフォームで補助金が受け取れる
世田谷区では、家のリフォームをする時にさまざまな補助金を受け取ることができます。もちろん、受給するためには一定の条件を満たしていなければなりません。数ある補助金の中でも、特に利用できるケースが多いのが「世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金」です。
この補助金は名前通り、環境に配慮した住宅へリノベーションをする方を援助し、より環境に優しく過ごしやすい街を作ることを目的としています。そのため、対象となるのは断熱性能アップや節水に関わる工事です。令和2年度は、以下の工事が対象となっています。
ア、外壁等の断熱改修(断熱材を使用した外壁、床及び屋根若しくは天井の改修工事)
イ、窓の断熱改修(二重窓、二重サッシの取付け)
ウ、窓の断熱改修(複層ガラスの取付け)
エ、屋根の断熱改修(高反射率塗装)
オ、太陽熱ソーラーシステム、又は太陽熱温水器の設置
カ、高断熱浴槽の設置
キ、分譲マンション共用部改修(LED照明器具設置)
ク、分譲マンション共用部改修(段差解消や手すり取付け)
また、上記の工事と併せて行う場合に限り、以下の工事も対象となります。
ケ、節水トイレの設置
コ、高効率給湯器の設置
サ、住宅の外壁改修
いずれも住宅のバージョンアップとしてよく行われる工事なので、多くの方が補助金を受け取れるでしょう。具体的な金額は、ルールがやや複雑ですが以下のようになっています。
・住宅リノベーション工事を単独で行うとき
アからオ、キ、ク、サ:工事経費の10%まで
カ、ケ、コ(1台について):節水トイレ1万8,000円、高断熱浴槽7万円、高効率給湯機2万円
※合計20万円が上限
・区の耐震改修工事の助成と併せて行うとき
アからオ、キ、ク、サ:工事経費の20%まで
カ、ケ、コ(1台について):単独の場合と同じ
※合計40万円が上限
なお、補助金の申請には期限があり、令和2年度は令和3年2月までに申請する必要があります。さらに、工事は補助金交付決定後に着工し、令和3年2月末までに完了しなければなりません。予算の範囲内で行っている事業のため、希望者が多ければ期日より前に終了する可能性がありますから、早めに申し込みましょう。
■住宅リノベーション補助金の申請手続きの流れ
次は、実際の申請の流れを見ていきましょう。まずやっておきたいのは、自分が補助金を受け取れるかどうかの確認です。補助金を受給するには、以下の9つの条件をすべて満たしている必要があります。
1.世田谷区に住民登録があること。(申請者が分譲マンション管理組合の場合を除く)
2.特別区民税の滞納がないこと。(申請者が分譲マンション管理組合の場合を除く)
3.先に解説した改修工事のいずれかを実施し、機器類の種類、評価基準等などを満たしていること。
4.建築基準法令に適合している建物であること。
5.耐震性の確認ができること。(昭和56年6月1日以後に建築確認を行った住宅)
6.区の他の補助金を受けていないこと。(耐震改修助成を除く)
7.これまでに、この補助金を受けていないこと。
8.区内に本店、又は支店などを置く施工業者(個人事業者を含む)と契約し、施工すること。
9.建物の所有権を有する者が複数の場合は、当該所有権を有する者全員の同意を得ていること。
少し注意が必要なのは6と7、そして8でしょう。他の補助金と併用することはできず、この補助金を何度も利用することもできないわけです。また、世田谷区に拠点のない業者に依頼することもできません。正確に確認するため、申請前に区役所を訪問するか、電話をして相談しましょう。そして、申請の流れは以下のようになっています。
1.相談・見積もり
区内に本店、支店のある施工業者に相談し、見積もりを出してもらいます。
2.交付申請書提出
必要な書類をそろえ、区役所の窓口で申請を行います。
3.審査
交付が妥当かどうか審査を行います。結果が出るまで2週間ほどかかります。
4.交付決定
交付が決定したら、交付決定通知書が送られてきます。
5.契約
施工業者と正式に契約を結びます。
6.契約書の写し提出
区役所に契約書の写しを提出し、確認してもらいます。
7.工事
工事を実行します。施工前・施工中・施工後の写真が必要なので、撮影を忘れないでください。大抵は業者が行ってくれます。
8.完了届提出
区役所に完了の報告をし、施工中・施工後の写真や領収書の写しも併せて提出します。
9.審査
写真や領収書を元に、改めて審査が行われます。見積書と領収書の金額が異なる時などは、問い合わせが来る場合があるのでご注意ください。
10.交付額決定
審査に通ったら、交付額決定通知書が送られてきます。
11.請求書提出
補助金の振り込みを申請します。交付額決定通知書から1ヶ月以内が期限なので、早めに動きましょう。
12.補助金の支払い
指定の口座に補助金が振り込まれます。
このうち、最も面倒に感じるのは、各種書類の提出ではないでしょうか。たとえば2の段階では、交付申請書や改修工事等の図面など、多くの書類を提出する必要があります。しかし実際には、施工業者に代理提出を依頼することも可能です。この点も併せて業者に相談してみるといいでしょう。
■世田谷区で受給できるその他の補助金
世田谷区には、この他にも多くの補助金があります。人によっては、住宅リノベーション補助金より役立つかもしれません。特に注目しておきたいのが、耐震化に関する補助金です。主なものを挙げてみましょう。
・木造住宅耐震化支援事業
・非木造建築物の耐震化支援事業
・特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業
どの補助金も、積極的に活用しておきたいところです。新型コロナウイルスの感染拡大以降、「おうち時間」が増えてきた方も多いと思われます。これをきっかけに住まいを見直し、より快適な空間へアップデートしてはいかがでしょうか。
東京都世田谷区の川津工務店では、これまで数多くの現場をこなしてきました。豊富な経験に基づき、住まいをよりよいものにするためのご提案から、設計、施工までワンストップで対応可能です。また、施主様のご希望に合わせて、オーダーメイドの家具製作などにも対応しています。ご自宅のリフォームをご検討中の方は、何でもお気軽にご相談ください。
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